2023-01-17

QED進学塾の高校1年生(S)~大学入学共通テストが一昨日終了

QED日誌の昨日の記事のつづきです。
昨日は【数学1A】について書きましたので、今日は【数学2B】についてです。

【数学2B】(2日目13:50-14:50=60分間)
昨年度よりも問題文が増量されています。
ページ数が増加しているので、目に見えて増えています。
大学入試センターから大学入学共通テストへ切り替わったときに、問題文とページ数が一気に増加しましたが、今年はさらに増加しています。
問題文を「速く」「正確に」読み取る力が必要です。
「会話形式」の問題文を読み取って解く問題も多数ありました。
昨日のQED日誌にも書きましたが、この科目でも国語力が求められています。

昨年度との比較では、昨日書いた【数学1A】が誰が見ても分かるくらい大幅に易化したのに対して、【数学2B】は少しだけ易化しているように塾長は感じました。
より細かく見て行くと、必答問題が易化、選択問題がやや難化、全体としてやや易化といったところでしょうか。

塾長が目を引かれた問題は、第2問[2]の積分の問題です。
同問題は、定積分を用いてソメイヨシノの開花時期を推定する問題でした。
これまでには見られなかったタイプの問題で、新傾向問題と言えるでしょう。

とは言え、定積分の計算自体は簡単でした。
定積分の性質も利用するのですが、これも基礎的なものでした。
発想も計算も決して難しくはなく、問題文を正しく「読み取る」ことさえできれば解ける問題です。

もう1問取り上げるとすれば、第3問の「確率分布と統計的な推測」の問題です。
同問は、ピーマン1個の重さについてのデータを分析する問題でした。
問題の後半では、ピーマンの重さの分散を小さくするには、どのような手法を取ればよいか、考察が求められました。
この問題も、発想力や計算力は特に求められておらず、設問内容を理解することができれば簡単に解ける問題でした。
本問も前述のソメイヨシノの問題と同様に「題意把握」さえできれば勝ちという、読解力勝負の問題だったと思います。

幕末の寺子屋から明治時代の初等教育において、「読み書きそろばん」が重視されました。
ここで言う「そろばん」とは、計算力のことです。
また、「読み書きそろばん」の3つの能力のことを、英語では「3R's」と言います。
この3つが学習の3本柱であることは、洋の東西を問いません。

大学入試センター試験から大学入学共通テストになって、問題のページ数が増加しました。
問題文が長文化することによって、より読解力が試されるテストとなりました。
昨年は特にひどかったのですが、計算量も一気に増加しました。
よって、より計算力を求められるテストとなりました。

これは「読み書きそろばん」への原点回帰とも言えるのではないでしょうか。
大学や大学院での高度な学問研究を支えるのは、「読み書きそろばん」の基礎学力であると塾長は考えます。
だから、塾長はこの原点回帰を歓迎しています。
小手先の受験テクニックではなく、より本質的な基礎学力が求められる時代になったことを嬉しく思います。

QED進学塾でも受験テクニックを教えます。
ただし、それだけを教えることも、「覚えてね。」の一言で済ますこともありません。
塾長が塾生に解法の技術を教えるときには、必ず「どうしてそうなるのか。」について板書解説しています。

その一例が、2次方程式の解の公式です。
塾長は、同公式を導く手順(平方完成)を黒板1枚まるごと使って説明します。
何行かの説明文と、膨大な計算量とで、黒板1枚が埋まってしまうのです。

塾生は、この手順を学ぶことによって、公式の成り立ち・仕組みを理解します。
万が一、生徒が公式を忘れてしまったとしても、自力で公式を導き出すことができます。

塾生は、膨大な計算を最後まで解き切ることで、計算力を養います。
解の公式を導く過程は、高校入試までの範囲においてトップクラスの計算量です。
生徒がこれを解き切った自信は、ほかの計算問題を解くときに心の支えとなります。

楽しく学ぶこと。
それを継続すること。
これにより学力を積み上げて行くこと。
QED進学塾の指導方針は不変です。

方針は不変ですが、その内容の微調整は常に行っています。
大学入学共通テストの問題を見て塾長が思うことは、「読み書きそろばん」の基礎学力をこれまで以上に重視しなければならないということです。
(もともと基礎基本を重視していましたが更に。)

塾生が基礎学力を養うことは、大学入学共通テストで得点するための必要条件であると同時に、大学・大学院で学問研究を深化させていくための十分条件ではないか、塾長はこのように考えています。

「十分条件」は言いすぎだと思われる方もいるでしょう。
それでも、塾長は決して過言ではないと思っています。
十分に堅牢な土台さえあれば、その上にいくらでも高層建築ができるのですから。

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