2023-03-01

QED進学塾の中学1年生(K)~4日間6教科10科目の学年末試験

QED進学塾の中学1年生のKくんの通う学校では、本日より学年末試験が始まります。
今日から4日間に渡って、6教科10科目の長い戦いが始まります。
その開幕戦の本日は、いきなり国語・数学・英語の主要3教科の揃い踏みです。
初戦からハードスケジュールで大変でしょうが、Kくんにはぜひ好スタートを切ってもらって、勢いをつけてほしいところです。

先週末にKくんは、塾長に学校配布問題集の1次関数の問題を質問しました。
それは、長方形の周上を2点の動点が移動する時間をx秒として、この2動点と1定点で囲まれる図形の面積をycm2としたとき、yをxの1次関数で表す問題でした。
この問題の動点Qは、動点Pの2倍の速さで移動するのですが、長方形の長辺と短編の比が「2:1」になっているがために、1次関数で表せるというからくりです。
(動点が2つある問題は2次関数が多い。そしてKくんは2次関数を未履修。)
また、このグラフは、3つの定義域に分けられて(3つとも1次関数なので直線が3本)、その場合分けも一切誘導がなく、自力で導き出さなければならないという難問でした。

この大問は、2つの小問で構成されていて、小問1が定義域と直線の式を、小問2が(小問1で求めたとおりの)グラフを、それぞれ書かせる問題でした。
このような大問は、まず小問1を確実に解いて、その延長線上に小問2が解ける、という構成が一般的です。
ですが、その最初のステップである小問1があまりにも難しく、Kくんはここで大苦戦を強いられていました。

そこで、塾長はKくんに「いきなり小問2のグラフ」を書く作戦を伝授しました。
このグラフ上の4点をプロットするのがさほど難しくなく、時間軸に沿って順に4点を定規で結べば3本の直線が引けます。
Kくんは、その小問2のグラフを見ながら、小問1を解き進めて行って、最終的には大問1つを完答することができました。

塾長は、この大問が学年末試験の「大問4」以降に出題される可能性が高いと判断しました。
これは勘ではなく、2学期にKくんが塾に持参してくれた定期試験の数学の問題を、塾長が見てそう判断したのです。

1.出題されやすい問題で、
2.しかも配点が高く、
3.まともに解けば試験時間を大きく削られるところを、
4.工夫次第で比較的容易に、
5.かつ短時間で解き終えることができる。
塾長は、「こんな問題を逃してなるものか。」という気持ちで、Kくんに極めて詳細に授業解説したのでした。

そして、上記の5つ以上に塾長が大切だと思ったのが、
6.今後のKくんの学習にこの問題の解法が生かせる。
ことでした。

最初Kくんは、塾長がいきなり小問2の解説を始めたことに驚いていました。
ところが、いざ問題を解き終えてみると、「小問2→小問1」の解き順のほうが分かりやすかったことに、Kくんは納得が行ったようです。

このような解法は、決してオーソドックスとは言えないものですが、Kくんの「問題を見る目」や「解法の柔軟性」を養ううえで、大いに有用であったと塾長は考えています。
こうして養われた能力は、数学に限らずどの教科の問題を解くにも生かされます。
そういう意味で、塾長は前述の「6.」を書いたのです。

塾長も人間ですから、塾生の試験が目前に迫り来ると、どうしても「今点数を取らせる。」ことに意識が向くのは仕方のないことだと思います。
そして、このことを「近視眼的」と批判する人も少ないでしょう。
ですが、そんな切羽詰まった状況でも、塾生の「その先」の勉強への先行投資が何かできないかを、塾長は50歳を過ぎてようやく考えられるようになってきました。
さすがに成長が遅すぎでしょうか(笑)

逆説的な言い方をすれば、成長が遅いからこそまだまだ伸びしろがある、とも言えます。
塾長の身長の伸びは33歳で止まってしまいましたが、勉強の伸びはこれからだと自分に言い聞かせて、精進して行きたいと思っています。
塾生と塾長とがともに成長し続ける環境・関係を築いていきたいものです。

その成長戦略のひとつが、
「魚をそのまま与える。」よりも「魚の取り方を教えたい。」
です。
そして、Kくんは弱冠中1にしてそのことを理解しています。
本当に素晴らしいと思います。

話を学年末試験に戻します。
この記事の締めくくりはあの常套句です。

武運を祈る!

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