2023-03-27

QED進学塾の新小学5年生(Y)~最小公倍数と最大公約数

QED進学塾の新小学5年生のYくんは、『計算の級別トレーニング 』の6級「分数の加法・減法」を学習中です。
昨日のQED日誌の記事タイトルは『通分と約分』でした。
通分は分母と分母の最小公倍数で、約分は分母と分子の最大公約数なので、本日のQED日誌の記事タイトルは『最小公倍数と最大公約数』です。

最小公倍数・最大公約数を求める方法として「互除法」があります。
もちろんQED進学塾でも同解法を教えます。
たとえば、9と12の最大公約数は「3」で最小公倍数は「3×3×4=36」です。
Yくんがこれらを「互除法」で求めることを覚えたとします。
すると、『計算の級別トレーニング 』の6級の問題で、Yくんが次回授業で解く予定の「分母が9と12の分数の通分」ができるようになります。

これで一件落着と思われますが、ここで終わらせてしまうのは勿体ないことです。
この機に発展学習をしない手はないのです。
前述の「3×3×4=36」をもう一度見てください。
この3つのかけ算を前から順番にかけて行くと「9×4=36」であり、後ろから順番にかけて行くと「3×12=36」です。
そして、互除法で解いたときの「9の対角線に4」が、「12の対角線に3」がいるのです。
ここで、Yくんは対角線のかけ算がそのまま最小公倍数になっていることを学びます。
さらに、Yくんは対角線を結んでいる斜め線の2本が、ちょうど演算記号の「×」になっていることに気付きます。

ここまでくれば大成功です。
これで、Yくんが小学6年生で習う「比例」と「比例式」を学ぶための素地ができました。
比例・比例式では、ななめ(\)をかけた数とななめ(/)をかけた数が等しくなります。
おまけに、(\)と(/)が重なるので、ちょうど「×」の記号に見えます。
つまり、「かけざん」することが視覚的にも分かりやすいのです。

また、Yくんは「互除法」とは別に地道に調べる方法も学びます。
前述の「9と12」を例に取ると、
【最大公約数】
9の約数=1,3,9。
12の約数=1,2,3,4,6,12。
(1×12=12。2×6=12。3×4=12。)
よって、最大公約数は3。

【最小公倍数】
9の倍数=9,18,27,36,45,54,・・・。
12の倍数=12,24,36,48,60,・・・。
よって、最小公倍数は36。

もうひとつ発展学習があります。
Yくんがせっかく12の倍数を学んだのですから、このタイミングで「ダース」と「グロス」を教えない手はありません。

12の倍数=ダース。(12,24,36,48,60,・・・,144=グロス。)
15の倍数=時計の長針(分)。(15,30,45,60分=1時間。)
25の倍数=25mプール(m)。(25,50,75,100m。)

ここまでをYくんが習得すれば、算数の種々の計算が以前よりも速く・楽に・正確に解けること間違いなしです。
そして、Yくんが今学んだ知識・技能が、中学生・高校生になっても数学や理科の計算問題で大活躍してくれることも請け合いです。

(1)目の前の1問を全力で解く。
これは何の勉強でも基本中の基本です。
そして、1問を完答したとき、その勢いのまま次の問題、また次の問題と解き進めるのもよい勉強法です。
この演習量と反復で学んだことが身に着くからです。

(2)目の前の1問を全力で解く。
さらに、解けただけで満足しないで、そこに隠された法則性などを深く考察・研究する。
それによって、Yくんの習熟度が大きく向上するだけでなく、Yくんがこの先に学ぶこと(前述の例ならば「比例」「比例式」)への先行投資となる。

上記(1)が数多くの問題を解く「量」の勉強ならば、(2)は1問を骨までしゃぶり尽くす、徹底的に味わい尽くす「質」の勉強です。
そして、(1)は生徒の自力のみで、すなわち家庭学習で学ぶことが可能ですが、(2)を独学でできる生徒は少なく、これは塾で学ぶよりありません。

つづく。

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