2021-07-23

QED進学塾の小6生~一昨日の算数

QED進学塾の小6生の一昨日の算数です。
QED日誌の昨日の記事の続きです。

一昨日、児童は【塾長の自作問題】を解きました。

【塾長の自作問題】
5371/5633を最も簡単な分数に約分しなさい。

【考え方】
この分数がアで約分できるとすると、
ア<イ<ウ として、
分子=ア×イ
分母=ア×ウ
と置くことができる。
ここで、
分母-分子=ア×(ウ-イ)なので、
アを発見するために分母と分子の差を取る。

児童は、この解法で【塾長の自作問題】を解くことができました。

そののち、児童は単位分数分解の問題を解きました。
その問題の分解の仕方は2通りあって、
一つは、分母と分子の数字をそのまま使って、
もう一つは、分母と分子に「5」をかけて、
それぞれを単位分数に分けるのです。
この「5」というのがまさに「分母-分子」の値です。
約分の問題で学習したことが単位分数分解の問題に生かされました。

ところで、児童は「分母-分子」の引き算を一発正答できませんでした。

引き算の解法は、大きく分けて2つあります。
1.10の2分割(9と1、8と2、7と3、6と4、5と5)のみを活用して解く。
2.1.に加えて11の2分割、12の2分割、13の2分割・・・・・18の2分割をも活用して解く。

塾長が小学校で習ったのは2.でした。
覚えることは多いですが、一旦覚えてしまえば速く計算することができます。

今、小学校で教えているのは1.です。
1.は、2.と比較して覚えることが少なく分かりやすいのが美点で、計算が遅いのが欠点です。
ですが、両解法の速度の差は微差なので、それならば「分かりやすい」1.のほうが総合的に見て優れているのかもしれません。

塾長は児童にこんな問題を出しました。
「15を2分割すると、6と(   )です。」
児童は(   )に当てはまる数がなかなか出てきませんでした。
しかしながら、児童は10の2分割をすらすらと答えることができました。
これらのことから、児童が取るべき作戦はどう見ても1.が正解です。

今、児童は無理をして2.の解法で引き算を解こうとして苦戦しています。
そうまでして2.にこだわるメリットは何もありません。
両解法の計算速度の差は微差なのに、そこにこだわって計算間違いが発生しやすくなってしまえば、大きなデメリットです。
それどころか、児童にとっては2.のほうが計算時間が長くなってしまっているのです。
なぜなら、児童は15を6と9とに分割することに多くの時間を費やしてしまうからです。
児童にとっては利も理もない2.の解法を捨てて、1.の解法で解くように改めることが、児童の引き算の計算速度と正答率とを同時に向上させる近道だと塾長は考えています。

塾長が児童に1.を勧める理由はそれだけではありません。
上記の技術的な理由に加えて、心理的な理由もあるのです。
児童は、引き算に苦手意識を持ってしまっています。
児童がこれを払拭するために、今までと同じ2.の解法の練習をひたすら積むことは「労多くして利なし」だと思うのです。
2.にこだわるのは、技術的にも心理的にも児童の負担が大きいだけで得るものがないように思えるのです。
それならば、児童がすぱっと1.に切り替えて、「これならできる。」という自信を得たほうがはるかに得策です。

一昨日の授業で、実際に児童に1.を試してもらったのですが、実にスムーズでした。
児童にとっては、今までの解法である2.から新しい解法である1.に切り替えることに不安もあることでしょう。
ですが、塾長が児童の一昨日の授業を見る限り、児童が1.に慣れるのに大して時間がかからないと思うのです。

夏休みは莫大な学習時間の取れる期間です。
学習時間に比例して、計算をする時間も膨大です。
児童が今ここで1.に切り替えてしまえば、夏休みが終わるころには1.が完全に体に馴染んでいることでしょう。

引き算に不安がある子は、割り算にも不安を抱えています。
そして、引き算や割り算の計算の不正確さは入試本番で致命傷になりかねません。
この夏休みに児童が計算力と計算に対する自信とをぜひ身に着けてほしいと塾長は願っています。

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