患者さんの病気を診るのも、患者さんという1人の人間を丸ごと診るのも、どちらもお医者さんの仕事だと塾長は思っています。
今回、塾長の股関節の治療のバトンを引き継いでくれた、3人の先生方には本当に感謝しています。
大学病院を紹介されるときに「手術の上手な先生ですから安心してください。」との説明を受けた塾長は、「プロ中のプロにお任せすれば大丈夫。」という安心感とともに、「手術の必要があるほど重篤なの?」という不安感をも覚えました。
もちろん、塾長を安心させるための言葉であることは、先生の笑顔や穏やかな口調からも分かっていますが、それでも塾長は不安感をぬぐい切れなかったのです。
大学病院での説明を受けて、塾長は自分のケガが「股関節インピンジメント症候群」という、病名も治療法も新しいものであると知りました。
そして、それに詳しいお医者さんがまだまだ少数であることも。
その専門医が大学病院にいらっしゃるという意味での、大学病院への紹介状であったことを、塾長は昨日知りました。
「研究の歴史の浅い病気なので専門の先生が少ないですが、幸いなことに大学病院に専門の先生がいらっしゃいます。紹介状をお書きしますので診てもらってくださいね。」
もし、塾長がこのような説明を受けたならば、心から安心できたのではないか、大学病院に行く前夜に不安で寝付けないこともなかったのではないか、と思うのです。
患者に安心感を与えるのも仕事だとお考えのお医者様は多いことでしょう。
そのことを先生の患者への接し方のひとつひとつから塾長は感じ取ることができます。
わざわざ患者を不安にさせようとする医師など1人もいないでしょう。
我が身を振り返って。
「自分は必ずできるようになる。」
生徒が心からこう思えるような安心感を与えることは、塾長の重要な任務のひとつです。
もちろん、その職責を果たすために塾長は言葉を選び、伝え方を工夫しています。
ですが、本当に生徒が100%の安心と信頼を得られているかについては、決して過信してはいけないと塾長は思うのです。
実際、塾長を安心させるためのお医者様の説明を聞いて、塾長は「もしかして重症?」との不安を抱きました。
ということは、塾長が生徒を盛り立てるために発している言葉の数々の、そのうちの1%は生徒を不安にさせる要素を内包しているかもしれないのです。
「(その問題の解き方はもう)大丈夫?」
塾長がこの言葉を笑顔とともに穏やかな口調で話せば、生徒は安心するでしょう。
同じ言葉でも、塾長が不安そうな表情と口調で話せば、生徒は不安になるでしょう。
生徒が気分よく勉強できて、その結果として学習意欲が高値安定に保たれ、最終的には学力と成績とが向上する、これが塾長の思い描く理想形であり、また生徒にとっても理想でしょう。
それを実現するために、言葉の選び方、話し方・伝え方、そのときの表情や口調などに、今まで以上に気を配りたいと、塾長にそう思わせる今回の出来事でした。
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