2023-06-12

QED進学塾の小学5年生(Y)~今回の英語(2)

QED日誌の昨日の記事のつづきです。

英語は、例外則の多い言語と言われています。
例外則の多さは、ラテン語との距離と正の相関関係があるとも言われています。
大学で第2外国語としてドイツ語やフランス語を学ぶ学生は多いですが、両言語と比べて英語はラテン語から遠く離れているので、英語に例外則が多いのは致し方のないところなのでしょう。

例外則が多い→法則性だけでは学べない→全部覚えるしかない。
このような思考回路で英語学習に取り組むことに、塾長は賛成できません。
たとえ例外則が多かったとしても、やはり英語学習の正攻法は「法則性」を学ぶことにあると考えているからです。

昨日の『QED日誌』記事の「b」「m」「p」にしても然りです。
まずは、一般的な法則として「ン」は「n」と表記することを学ぶ。
そのうえで、例外則として「b」「m」「p」の前の「ン」は「m」と表記することを学ぶ。
これでいいのです。
さらに、その例外則がどうしてそうなるのか(この場合は口を閉じる事前準備が理由)を知って覚えればなおよしです。

上記を理解している子は、「conquer」(征服する)の「con」は「n」で、「company」(会社)の「com」は「m」で、などと1つ1つ覚える必要がありません。
英語学習の最大のネックは英単語の学習、こう思っている生徒は多数います。
英単語学習の負担を小さくできるのならばそれに越したことはありません。
「フォニックス」をはじめとする「法則性」は、英語学習をより楽に進めるための心強い味方なのです。

中1で習う英単語に「beautiful」(美しい)があります。
この単語の文字数が9文字で長いこともあって、覚えづらいと言う中1生は多いものです。
同単語の最初の4文字「beau」に注目します。(後の5文字は覚えやすいので)

塾生は、「b」を「ブ」と発音することを、フォニックスの学習を通して知っています。
また、「エウ」(eu,ew)を「ウー」と発音したり、「ユー」と発音したりすることも知っています。(2文字セットのフォニックス)
ここまでの知識があれば「ビュー」を「beu」と書くことは容易です。

最後に注目するのは「a」の1文字です。
「ユー」(eu)の間になぜか「a」が割り込んでしまうことを覚えるのです。

塾長はどうして「a」が割り込むのか、その理由を説明できません。
どなたかご存じの方がいらっしゃったならば、ぜひご教授ください。

話を戻します。
このような覚え方をした子は、「英語では、発音に関係しない文字が割り込むことがある。」と学ぶことができます。
すると、「サイレント」(綴り字にあっても発音はしない文字)を受け入れることに抵抗感がなくなります。
「どうして?」「これは納得が行かない。」といった抵抗感は、学習の妨げになることがあるので、「サイレント」の受容はそうなる恐れを事前に除去しているようなものです。

「eau」の3文字は、「eu=ユー」であること(規則性・法則性)の中に、「a」(不規則性)が紛れ込んで「例外則」に分類されます。
ところが、「例外則」であるはずの「a」でさえも、「サイレント」という「よくあること」を学ぶための一助となってくれています。

「beautiful」という1単語を覚えるだけならば、ここまで深く学ぶ必要はないかもしれません。
しかしながら、英語学習の道のりはとてつもなく長いです。
本格的に英語を学び始める学年は、小学5年生です。
小学校で2年間+中学校で3年間+高校で3年間+大学で4年間=3×4=12年間。
たとえ大学院に進学しなかったとしても、12年間は英語を学び続けることになります。
つまり、最初の1年間で英語の法則性と例外となるパターンについて深く学んだ子は、12年間もの長期に渡ってずっと得をし続けるのです。

Yくんの小学5年生の1年間の英語学習が、その後の11年間の英語学習をスムーズに進められるか否かを、大きく左右すると塾長は考えています。
幸いなことに、Yくんは英語学習を楽しんでくれています。
この先もずっとYくんが英語を好きでいてくれて、楽しんで勉強を積み重ねて行ってくれて、しかも人より少ない労力で多くのことを覚えられて、おかげで英語の成績を高値安定に保つことができて、その結果ますます勉強が楽しくなって・・・・・

こんな理想的な好循環を生み出したいと塾長は願っています。
塾長はそれを実現するために授業計画を練ります。
ですが、せっかく練った授業計画を捨ててでもやる価値があると判断すれば、ダンボのTシャツ1枚で授業内容を差し替えることもいといません。
そして、今回に限らず今後の授業もこのように展開して行くことでしょう。
Yくんがいつもにこにこしていて、それでいて知らないうちに英語力が身に着いてくれれば、塾長がこれ以上望むことは何もありません。

0 件のコメント:

コメントを投稿