2023-04-08

QED進学塾の高校2年生(S)~英語の長文読解(3)

QED日誌の昨日の記事のつづきです。

昨日は【(1)動詞】について書いたので、今日は【(2)前置詞】についてです。

「前置詞」とは、(「名」詞の)「前」に「置」く「詞」(品詞=単語)です。
これを「名前置詞」としたほうが意味的にはぴったりなのですが、それだと日本人は「名前」を「メイゼン」ではなく「なまえ」と読んでしまいそうですね。
だから、「前置詞」の名付け親は、「名前置詞」ではなく「前置詞」を採用したのだと、塾長は推測しています。

ところで、「句」も「節」も「○○と、その仲間たち」という意味なのですが、その違いは何でしょうか。
それは、「節」はsv(主語と述語動詞)が揃っていて、「句」は揃っていない点にあります。
単位としては「節」が大きく「句」が小さいとイメージしてください。

前置詞の話に戻ります。
前述のように、前置詞の後ろには必ず名詞が来ます。
もしくは、名詞と同じ働きをする現在分詞(動名詞)などが来ます。
名詞と同じ働きをするものも一括りにして「名詞」と書けば、
「前置詞句(前置詞とその仲間たち)=前置詞+名詞」です。
「パラグラフ・リーディング」では、昨日の記事に書いた「述語動詞の前後」で区切ることと、「前置詞の前」で区切ることは鉄則です。

前置詞を覚えるのに「日本語訳」をたくさん覚えようとするのは愚の骨頂です。
なぜならば、「日本語訳」は、前置詞の持つ本来の意味から派生したものに過ぎないからです。
前置詞を覚えるには、まず「本質」を押さえることが先決で、それだけで前置詞の学習の9割は終わっています。
日本語訳は、おまけの1割だと思ってください。

Sくんの前回の英語の授業の長文読解問題では、「転居する」「引っ越す」という意味の英熟語の「move to」が登場しました。
ですが、この英熟語を知らなくても意味を理解することは十分に可能です。

「to Tokyo」も「for Tokyo」も、日本語訳は「東京に」で合っています。
しかしながら、その意味するところは大きく異なります。
前者は必ず東京に到着しますが、後者はそうとは限りません。

「to A」は、Aに向かって移動して、最終的にAに到達します。
つまり、「to」は「方向」と「ゴール」の両方を表わしています。

「for A」は、Aに向かって行くのですが、最終的にAに到達するとは限りません。
東京行きの電車の表示が「for Tokyo」となっているのはそのためで、途中下車もありなのです。
つまり、「to」は「方向」は指し示していても「ゴール」は表わしていません。

まとめると、ゴールを含むのが「to」で含まないのが「for」なのです。

以上のことを学んだSくんは、読解問題の「moved to A」を「Aがゴールでもう移動が終わっている」ことから、「引っ越した」と解釈することに成功しました。
前述の「英熟語を知らなくても理解できる」とは、こういうことなのです。

英単語や英熟語の意味をたくさん知っていることは、もちろん長文読解の武器になります。
しかしながら、その武器を手にするために、どれほど多くの時間投資が必要でしょうか。
そう考えれば、ひたすら英単語や英単語を覚えまくるよりも、「本質的な意味」を理解することに努めたほうが、はるかに時間効率がよいのではないかというのが塾長の見解です。

ひたすら覚えまくるという苦行を修行僧のように実行できる生徒は、そうそう多くはありません。
英語を楽しく学ぶことと、試験の得点をupさせることは両立できます。
前者の「楽しみ」と後者の「実利」とを一挙両得にするのが、「本質的な意味」を学ぶ勉強法であると、塾長はそう考えているのです。

Sくんが「to」を見た瞬間に「あ、ゴールまで行くのね。」といったイメージを持ちながら、英文を読み進められる日が一日も早く訪れることを、塾長は切に願っています。
これからも一緒にがんばって行きましょう。

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