2020-06-30

QED進学塾の小学5年生~昨日の算数

QED進学塾の小学5年生は昨日の算数の時間は、
1.『計算の級別トレーニング』
2.『まるいち算』
4.体積の応用(単位変換)
の3本立てでした。

この3本に
3.『コア 小5』
5.上記4.の前にプレ問題
の2本を加えて「最大5本立て」の学習予定でしたが、「1.」を詳しく学習し、「2.」をさらに深く掘り下げて学習し、その結果として大幅に時間が足りなくなってしまいました。
そこで、昨日は無理に先を急がず3本(実質2.5本)にとどめておいたのです。

1.『計算の級別トレーニング』
分数のわり算で、1回目が不正答、同じ問題を解き直した2回目で正答した問題が1問ありました。
不正答の原因は、わり算をかけ算に直したものの、×の後ろの分数を逆数にし忘れたことでした。

塾長は、これを「単純な計算ミス、次は気を付けよう。」の一言で片づけることはしませんでした。
もう一度初心に帰って復習することにしたのです。

児童は、分数のわり算を初めて学習した日に、
(あ)わり算の逆(の演算)はかけ算。
(い)かけて1になる数は逆数。
(う)上記の(あ)(い)を両方実行すると「逆の逆は元どおり。」
と習いました。

児童は、(あ)を声に出しながら机上のテキストを裏返し、(い)を読み上げながら再度裏返し、結局元どおりになることを理解したのです。
「裏の裏は表。」すなわち「逆の逆は元どおり。」というわけです。

計算を「何となく習慣で」「反射的に」「機械的に」実行する習慣が身に着いてしまうと、計算間違いが発生しやすくなってしまうことがあります。

分数のわり算の計算練習を積み重ねるうちに「わり算を逆数のかけ算に直す。」ことが習慣として身に着くことはよいことです。
そしてそこに「本を2回裏返す」イメージを重ね合わせる習慣をも同時に身に着けられれば、「逆数にし忘れる」間違いを未然に防ぐことができるのです。

「数式は言葉だ。計算じゃない。」
とある予備校講師がテレビCMでこう言っていました。
このキャッチコピーは、QED日誌にもたびたび登場しています。
塾長は上記のコピーを「言い得て妙。」と思うのです。

「わり算を逆数のかけ算に直す。」ことを実行するとき、同時に「逆の逆」という言葉が浮かんできて、また同時に「本を2回裏返す」映像をもイメージする、これが自然にできるようになるのが理想形です。
そうなった子は、数学や理科の成績の飛躍的向上が約束されたも同然です。

かつて、塾長は当時小学6年生の男児に「繁分数式」を見せたことがあります。
【問題】1/1/3
その子は即答で「3」と言いました。
手首をくるくると2回ひねる仕草をしながら。
見事正答です。
そして、「3」と答えた理由を塾長が児童に尋ねると、
「逆数の逆数はもとの数だから。」と返ってきました。

児童の「逆数の逆数」という発言からは数式を言語化できていることを、「2回ひねる仕草」からは数式を映像化できていることを、それぞれうかがい知ることができます。
こうなればもう無敵です。

小学5年生の4月に「分数の計算ができない。」と言ってQED進学塾の門を敲いたその子は、その1年半後に「1/1/3=3」を即答できるまでに成長しました。
そしてさらに6年後、その子は早大の情報数学科に現役合格しました。

すべての子がこのような成長曲線を描くわけではないことを塾長は知っています。
ですが、数式を言語化したり映像化したりする習慣を身に着けることが、理数の才能を伸ばすのに大変有効であることも知っています。

さて、話は昨日に戻ります。
昨日の算数の授業で「分数のわり算」に費やした時間は20分間です。
その20分間は単なる計算練習の時間ではありません。
「数式の言語化・映像化」のトレーニングのための20分間なのです。
塾長は、この20分間の時間投資を惜しいとは全く思いません。
のちに何倍、何十倍のリターンがあることを信じてやまないからです。

児童の1年半先の公立中高一貫校の検定試験合格を真っ直ぐに見つめながら、その向こうに合格後のさらなる飛躍をも思い描きながら、一日一日の授業を積み重ねて行きたいと塾長は思うのです。

文章が長くなってしまいました。
2.『まるいち算』と4.体積の応用(単位変換)については、また明日のQED日誌にて。

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