2020-06-19

QED進学塾の塾長~考え方・教え方(2)

QED進学塾の塾長は、2020年6月13日よりQED日誌に連載記事を書き始めました。
塾長はどのような考え方のもと何をどう教えているのか、それについての不定期連載です。
連載記事のサブタイトルは【QED進学塾の理数授業~比・熱量・内分点ほか(2)】で、今日はその第2回目です。

受験算数の典型問題に「食塩水の混合」があります。
質量パーセント濃度の異なる食塩水を混ぜ合わせる問題です。
ですが、塾長はこの問題より先に「水とお湯の混合」を教えます。
その理由は「児童が感覚的に分かりやすいから。」です。

海水に含まれる食塩の質量パーセント濃度は、場所によって差異はあるものの平均すれば約2.65%です。
海水浴に行ったことのある子ならば、海の水がうんと塩辛いことを知っているでしょう。
これらのことから、問題文に「3%の食塩水」と書かれているのを見た子は「海の水よりもっと塩辛い食塩水」を想像します。

では、問題集に食塩水の混合に関する問題が出題されたとします。
問題の概要を「3%と7%の食塩水から4%の食塩水ができる。」としましょう。
この問題を見て「混合前も後も全部すごく塩辛い。」と思う子が2割、そのような感覚を持たずに「無味乾燥な数字。」としか見ない子が8割、その2つに大別されます。

前者は、濃度の数値を実感を伴ったものとして捉えようとしていますが、今ひとつピンと来ていません。
後者は、「実感」のことなど考えもせずに単なるパズルとして問題を解こうとしています。

さて、水とお湯の混合に関する問題ではどうでしょう。
たとえば、20℃の水と80℃のお湯の混合問題です。
お風呂のお湯の温度が約40℃であることを知っている子は、「20℃」が冷水であることも「80℃」が熱湯であることも分かります。
つまり、数値に実感が伴うのです。

つづく

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