その「事件」は、高校1年生の英作文の授業で起きました。
「彼は危機に陥っている。」
He is in danger.
「彼は危険人物である。」
He is dangerous.
この英作文に対する生徒の答案はこうでした。
He is in banger.
He is bangerous.
塾長は、自分の目を疑いました。
「in danger」と「dangerous」の使い分けができるほど英語力のある子が、「b」と「d」の使い分けができていないことに、こんなことが本当にあるのかと信じられない思いでした。
塾長は、その子に尋ねました。
「どうして『b』だと思ったの?」
その子は答えました。
「だって、Dは顔が右を向いているから。」
「あっ!Bも右だった。」
この生徒は、過去に何度も「b」と「d」とを書き間違えてしまったことがあったそうです
その原因は、自分でもよく分からないとのことでした。
ただひとつ言えることは、この種の間違いは繰り返す傾向にあるということです。
【再掲】
He is in banger.
He is bangerous.
【再掲終わり】
たとえば、学校の定期試験でこんな失敗をしてしまったとしても、1行あたり「-1点」で済みます。
2問で2点の減点ですから、悔しい思いはするものの、それが致命傷とはなりません。
だから、この子はときどき「b」と「d」を間違えながら高1まできてしまったのかもしれません。
しかしながら、大学入試においては「1点」が命取りになることだって十分にあり得ます。
ですから、塾長は何としてでも解決策を見出さなければなりません。
そして、その解決策のヒントは、この高1生の「顔が右を向いている。」という発言にあったのでした。
つづく
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