2009-02-08

教育の機会均等

昨日2月7日の土曜日、現役教師との会食の席で
「『教育の機会均等』の意味を履き違えている人が増えている」
ことが話題に上りました。
下記はその極端な例です。
「中学時代の仲間がいる地元の普通高校へ通わせてあげたい」→「入試の問題を知的障害者でも解けるように」: エクストリームオフライン
知的障害者が県立の普通高校へ入学できやすくするよう特別の配慮を求める要望書を15日、知的障害者の家族会が県教委に提出した。入試の問題を知的障害者でも解けるように一部変更するなどの特別措置を求めている。
要望したのは「愛媛・知的障害児の家族と理解者の連絡会」(白石勇代表)。県教委によると、知的障害者も県立の普通高校を受験できるが、現在は入試の筆記試験の得点への配慮はしていない。ただし、知的障害者の受験者は「特別措置願」を提出し、別室での受験や中学校の教師が介助者として入試に同席することなどは出来る。
しかし、同会は「知的障害者に中学時代の仲間がいる地元の普通高校へ通わせてあげたい」として、入試の際は、筆記試験の内容を記述式から選択式にしたり、課題を与えられて書く作文に自分の受験に対する思いを書いてもよいようにしたりするなどの特別措置を求めている。
白石代表は「生徒たちは懸命に努力しているが、健常者と同じテストでは点を取れない。点数以外の部分も評価してほしい」と訴えている。
これに対し、県教委は「これまで、知的障害者にだけ筆記試験の内容を変えるのは公平性の確保につながらないと判断して認めてこなかった。今後は高校長と協議して判断したい」(高校教育課)としている。(鈴木洋和)
仮に普通高校へ入学することができたとしても
授業についていけなくなることは自明です。
まったく意味不明の授業を3年間に渡って受け続けることは
その生徒にとって地獄の日々の連続に他なりません。
生徒が意欲的に学習できて能力を伸ばせる環境が他にあるにもかかわらず
それを放棄することは「教育の機会均等」どころか
生徒の「学ぶ権利」を奪っていることになるでしょう。
①チャレンジ校
②実力相応校
③滑り止め校
を受験するよう指導している塾は多いです。
しかしQ.E.D.進学塾ではこのような進路指導はしていません。
たとえ合格ラインぎりぎりでチャレンジ校に合格できても
授業についていくことが困難になれば
学習意欲を失ってしまって伸びる者も伸びなくなる
と考えているからです。
進学した学校の授業が「分かる」ことが重要なのです。
具体的には進学先の定期テストで50点では不足で
60点以上得点できることが望ましいでしょう。
50点というのはちょうど半分なのですが生徒の感覚では
「半分は分かる」ではなく
「半分しか分からない」なのです。
これでは学習意欲が湧きにくいと言わざるを得ません。
50点を60点にすることは思いのほか困難な道のりです。
これに対し「60点を70点にする」「70点を80点にする」という目標は
あっさりと達成できてしまうことが多いのです。
その学校の成績上位者はよく伸びるが中位以下の生徒はあまり伸びない
という現象は、附属の大学を持たない私立高において最も顕著です。
たとえば私立A高校のMARCH合格者が毎年20名前後であったとします。
A高校は成績上位者30名を1つのクラスに集めて
そこに主力の先生を集中させます。
こうして鍛えることで合格実績を挙げることが可能になるのです。
注)MARCHとは・・・
M=明治大学
A=青山学院大学
R=立教大学
C=中央大学
H=法政大学
の頭文字を取ったものです。
私立高は大学への合格実績が翌年以降の生徒募集に直結します。
言い換えれば経営がかかっているということです。
上位30名の学習意欲をいかに高めるか、
どうすれば成績を向上させることができるのか、
総力を挙げて取り組むのは当然でしょう。
以上のことからQ.E.D.進学塾の高校受験指導は
①公立高校対策に絞った学習
②①により公開会場模試の成績が向上する
(模試の出題は公立高校型であるから)
③②の偏差値によって私立高校のB推薦の内定を取る
④③の私立高校は特進クラス(成績最上位者クラス)とする
このような方式を採っています。
注)B推薦とは・・・
「公立高校に不合格の際には貴校に入学します」
「他の私立高校に行くことはありません」
という約束のことです。

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